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最新の短篇集。いつものんきな感じのするばななさんの文章だが、私を 引きこむスピードだけは違っていた。数ページ読みだした所でもうすでに私と 本以外の音がただ体を響かせるためにあるような状態になる。ばななさんの文 章はとてもやわらかい。そして短い(短篇集だからね)。ひとつひとつゆっくり 読みたい。一つ一つの作品を読んで、その余韻にひたっていたい。そう思った。
実は読みながらこの文章を書いている(途中から)。色々な発見をしなが ら読んでいる。やたらと形容詞が気になったり、特にひらがなの形容詞が気に なったり、オレンジ、妊娠、というキーワードを見つけたり。
気になった作品ごとに行くと。「みどりのゆび」暖かい家族というもの がすごく感じられる、「ボート」別れ。自分で忘れていて思いだせないもの。 それが思いだせた時、それがとても大切なものだとしたら、どんなにすばらし いだろう「おやじの味」なんだかよくわからないけど、すごく心に響いた。最 後の方の数行が特に。構成も面白い。「いいかげん」話が好き。うまく読ませ るのがばななマジックかな?
言葉に窮す。流し読んでしまったからだ。感動は、した。最後は虹がか かって終るような感じだった。それなりの犠牲は払ってはいるけど。きっと消 えない虹。耀司の描写はなかなかすばらしいと思う。そして在日であることの 物語の交錯。ひじょうによくできた話だと思います。
宮台氏が今まで書いてきた本の解説等を一つにまとめ、各解説を書いた 相手からのコメントをもらう、という面白い企画。ありそうでなかなかなかっ たんではなかろうかでしょう。これを見ていると、宮台センセの各種雑たる万 物に対して色々な切り方を持っているな、ということがわかる。片やタイトに 攻め、片やソフトに攻める。しかしツボはきちんと押さえてある。しっかと根 付いた信念というものがそこには見える。
解説をもらった相手の反応はさまざまだ。けっこうもらってうれしい、 思った通りの解説を書いてもらった、つまり友好的な人が多いなか、ホンマタ カシ氏、だめ連のおふたりはけっこう中立的に、吉永マサユキ氏は「宮台さん、 それはちょっと違うんじゃないか」となにか意見的。個人的にはこういうレス ポンスを気にする方である。宮台センセがどう思うかは知らないけど。まあ、 色々なレスポンスがあるというのはいいことだと思います。
最後の語りおろし企画「宮台真司 スピークス ミヤダイ」はおおまかに この本全体を総括しています。ので、ここから読みはじめてもいいかもしれま せん。最後の最後、ミヤダイin社会学は学ぶ者に対して、自分がどのようにし て教養・知識を身に付けていったか、ということが書かれています。ここは要 チェックです。そして同様のプロセスを辿って、私を卒業していってください、 と書かれています。卒業っすか…。まだそこまでハマれてないっす…。卒業は まだ遠いです…。
シメに引用。風俗就職読本の著者の松沢呉一さんの一言「それにしても 宮台さんは援交、教育、少年犯罪とテーマを抱えすぎだし、周りが頼りすぎで す。宮台さんが書いたことを現場から補完するのは、教育なら藤井誠二、エロ なら私、という具合にパート分けした方がいい。」まったくですな。
神さまにインタビューするという大胆な企画。しかしこの神さまって誰? プロフィールにも載ってないし、新興宗教の教祖のようでもないみたい。著者 自身の創作なのかもしれないが、なかなかいいことを言っているのである、こ の神さま。いろいろ出てきた話の中で法則神という概念が面白かった。すべて の物理法則、数学的法則も神であり、つねにそこに存在する、という考えかた、 ね、新鮮でしょ?深い教訓のある、何度も読んでみたくなる本。
脳と麻薬の関係についてわかりやすく(?)説明してくれる本。しかしこ の人なんか一言余計なのである。さておき、主に脳がどのようなしくみで働い ているか、ということに多くのページが裂かれている。まあ、どのように麻薬 が作用するかということを説明するのであるから当然である。結局の所、脳の 関門があって、そこは通常の物質を通すことを許さない、逆に言うと特定の条 件を満たした物質しか通さない。麻薬はたまたまその条件に合致した成分を持っ ているので脳の中に入りこんでしまう。また、脳の中にはドーパミンなどの脳 内麻薬を受容する脳内麻薬レセプターというのがあり、それが麻薬によって働 きを強めたり、弱めたりすることによって脳内麻薬(もしくはそれを押える物 質)のバランスをくずすことによって脳を特殊な状態に落しいれる、というわ けである。
また、麻薬を通じて見た文化論もおもしろい。イスラム世界では酒が禁 じられている代りに麻薬が容認されているが、このことと、かつてイスラム圏 でさまざまな学問が世界のどこよりも進んでいたことに関連性はないだろうか、 という考察は興味深い。
最終章では「人間はみな麻薬依存者である」と締められている。ここで 言う麻薬とは当然脳内麻薬であるが。この考察は唐沢俊一氏もクスリの本でこ のようなことを言っていたようないないような。まあ、楽しい考え方である。 麻薬についてそろそろ議論されてもよい日本。この1冊はなかなかタメになる ハズ。
漫画家である安彦さんの著作。こなん著作があるとは知らなんだ。漫画 の方がなじみがあるからね。挿絵も本人画。印税まるもうけやね。ブスの話は よかったな。世界のブスどもよ、この本を読んで自分のブスさ加減を自覚し、 改善に励むこと!(いいすぎ)。男らしさ度チェック(快楽主義度チェックとい うのもあるが、こちらはあえてパス)は2/7だった。女々しいということか。カ サにこだわったていいじゃないかと思うのだが。
インターネットのささいなゴシップから、ネットそのものについて語っ たりした本。東芝告発事件、ドクター・キリコ事件、殺人依頼事件、レイプ共 謀事件など、この時点ではまだまだタイムリーな事件が載ってはいるが、しょ せんは文庫本。そのうち陳腐化してしまうだろう。(もうしてる?)。あと世間 の事件をパロディにするゲーム集は面白かった。また、ネットの匿名性につい て語っている。よほどの技術者でない限り、匿名で色々な行動を起こしてもロ グという形で形跡が残ってしまう、という指摘はもっとも。そのせいで一般の 事件よりも早く解決している部分があるとも解析している。しかし、匿名メディ アのインターネットの根はここで語られる以上に深い。
クスリに対する様々な考察の本。麻薬からビタミン剤まで、書かれてい ることは様々である。しかしやっぱり記事の分量として多いのは危ない薬、い わゆるドラッグである。気になることは「日本人にはヘロインなどのダウナー 系のドラッグは根付かない」という考察である。日本人はとにかく忙しく、ハ イな状態がいいらしい。これを聞いて思い出したのは岸田秀氏の考察、「太平 洋戦争で日本軍は兵隊がおくびょうであることを知らないで戦争をしたから大 きな被害を出した」という点である。実は日本軍は知らないのではなかったの では、という気がしてきた。なぜなら、戦争のために大量のヒロポンが作られ、 志気を高めるために使用していたからである。この本によるとインディオ族も 戦闘の時に志気を高めるためコカを使用していたという。どうなんだろう?
鈴木慶一、高橋幸宏、大槻ケンヂ3氏と著者とのインタビューと、著者自 身が自分自身の神経症(?)について語った一冊。オーケンはけっこう病的なイ メージがあるが、ほのぼのー、とした高橋幸宏さんまで病気にかかっているの は以外だった。離人症的なところまでいってる、というのだから相当なものだ。 とりあえず、やっぱり薬の話は欠かせないようだ。香山リカが蝶恐怖症だなん てしらなかったぞ。
緑の性格である著者が緑の性格について語った本…ではなくて、著者の 見聞記であると思った方がいいだろう。読んでいる最中、「あれ?これ連載さ れてたんでは…」と思ったら、確かにそのとおりだった。最初の緑の性格の10 原則以外は連載もしくは単発で雑誌に収録されていたものである。緑の性格は いいいかもしれない…。しかし、その道は果てしなく遠いと思った…。
感動的?な一冊。普通なら素直に感動するようなところでは感動しない ところが柳さんらしいというか。それでも感動的な一冊であることには変りは ない。そしてアンチクライマックス。「命」というタイトルは生まれてくる命 (息子さんのこと)と、失われてゆく命(故東由多香氏のこと)にインスパイアし て書かれている。下賎な私は、子供が生まれ、東さんが死ぬ、という所で物語 が閉じると思っていた。(まあ、実際にはそうなのだが)しかし、文章ではその ようになっていない。答はあとがきにあった。そうだ、確かにそこまで書いて しまうと本当にCryMaxとなってしまう。実際には連載だったので、どこまで書 くつもりであったのかは分らないが、このような感覚があったのは間違いない だろう。
今、この本の横には「自殺」(文庫版)が置いてある。つくづく不思議な 人だと思う。息子さんが出来たことで柳さんにどのくらいの変化があるのか? 某掲示版の書きこみにあった柳さんが潰れてしまうのではないという危惧。こ の本を読んでいるとわからなくもない。しかし、これを最後にしてしまうのは あまりにも尻切れトンボというか、フィニッシュにはふさわしくない1冊であ ると思う。フィニッシュを迎えてしまうことを期待するわけではないが、より パワーアップした次回作を期待するものである。。
森センセイのこの手の本を読んでよく思うのは「こんなんできたら苦労 しないってば」と思うのである。タイトルにしてもしかり。「考えすぎないほ うがうまくいく」、そうか…。と考えこんでしまう。人間とはそういうもので はありませぬか?
中身の話し。エッセイ集なのだが、一番面白かったのは九々の話であっ た。事務の電話番号が六七三五だから、ロクヒチサンジューゴと言いまちがう ことが多い。とは、こりゃすごい。九々で素数である23が出てきたら大きく減 点しろ、とか。やっぱり数学というか算数の話は楽しいですね。と思いました。
部屋に30冊近く本がたまっていると言うのに、新たに本を買い買った本 がこれである。うーむ。これでいいのか。読んで字の如く、薬の評価をしてい る本である。本の大半が抗鬱剤、睡眠薬、などに割かれているので大衆薬のこ とを詳しく知りたい、という人は手に取らない方よいであろう。また残りはダ イエット薬、勃起補助薬(バイアグラのようなもののことですね。)、あとはス マートドラッグ(日本語ではちょっと説明がしがたい、、、)について書かれて いるので、けっこうこっちの方は需要があると思う。本の最後には薬の個人輸 入について詳しく書かれているので、精神科に行くのはちょっと、、、と言う 人やバイアグラを飼うのは恥ずかしい、、、という人も安心である。ただし私 としてはそういう人たちは素直に病院に行くべきだと思う。その上でこの本を 読めば、ヤブ医者にひっかからないしそういういみでもとても有効だと思われ る。
今までの作品のあとがき、解説普通のエッセイと他の本の中のエッセイ 等々をまとめたエッセイ集。友人に「あれ重複してるところが多いから買わな かった。」と言われていたのだが、たしかに多い。「悪女な奥さん」「おさか な話」「私たちは繁殖している」と、他の本の中のエッセイを制覇しいた私に は大きな痛手であった。あとがき、解説も読んでるのが多いなぁ。
この本を読んだ感想としては、春菊さんは普通にだらー、としたエッセ イよりかは、その文体でいいですから人物紹介をしてもらっているほうがいい な、と思いました。ちなみにだらー、としたエッセイの具体例を出しにくいの ですが、「私の部屋に水がある理由」の対極だと思ってくだされば結構です。 とにかく人物評がすごく光っていると思います。同時に美術評論もなかなか面 白いです。
あと、春菊さんが山田詠美さんの文章(もちろん文章からも影響を受けて いると思うけど)ではなく、漫画に深い感銘を受けた、というのが印象的でし た。
大きな歪みを見せている「家族」という制度。これに対して敢然と立ち 向かっている一冊。親になりたがらない人々、子供へ一方的、支配的な教育を する母親、親近姦、またはそれまがいのことをする父親・・・このような人々 を通じて家族というものがいかに幻想であるかを語っている。また従来では考 えられなかった、逆援助交際(大人の女性がお金を出して若い男を買う!)、他 者不在の精神構造〜自己愛中心〜を持つ若者たちを取りあげている。さらにま た、インターネットや回線(テレクラ、伝言ダイアル…)などで知りあう「第四 者」という概念を提示し、共同体的な性質をも持つ「第四者」の危険性を指摘 しながらも、その可能性を明るく展開している。なんとなく第四者という考え は、宮台真司提唱の第四空間に似ているような気がする。そしてさらに、映画 「ファーザーレス」、在日韓国人にとっての家族というものもとりあげている。
結局求められているもの、いや我々に必要なものは個として自己決定を 下すことであり、必要があれば家族を解体してでも個人を守る、ということが 提唱されている。ただし、あくまで家族を否定しているわけでなく。シングル 暮らしがよければそれでよし、事実婚であろうと、結婚しようと、子供を持と うと、個人が尊重される限りそれはそれでよしなのである。(最後の方に家族 だけでなく、より大きな共同体、国でも個人が尊重されるべきである、という 意見があったことにも注目しておこう。)
毎度!って感じで宮台先生の著作を読みあさっている。順番でいえば過 去の文章へと退行する読みかたをしている。この本でも毎度!って感じで女子 高生・ブルセラについての分析が行なわれている。このへんは他の本ともあま り変わることなく、同じようなことが論じられているので省略。
興味深かったのが、U章の新人類、オタク分析である。「これが社会シ ステムのやり方なのか?」という細かいデータの提示が行われ、結果を図(ダ イアグラム?)によって提示するなどしている点で他の文章と大きく性質を異 なる。結局の所団塊の世代の大人対若者、つまりサブカルチャーがカウンター カルチャー(対峙する唯一のもの)である時から、かわいい共同性(ここについ てはあまり触れられていない?)を経て、新人類、オタクを生みだす世代にな り(この2つは元々存在していた性格分類にあてはまるという分析)、さらにサ ブカルチャーが分化され、かっこよさという上下的な見かたが失われ、島宇宙 的現在に至るという鋭い分析が行なわれている。1990年に書かれた文章であり ながら現代でも十分通用する鋭い分析である。これはひとえに、宮台氏が真実、 特にわれわれ自己の中にあるものを適切にすくい出しているから、と思う。
氏の著作で残ってるのは・・・サブカルチャー解体新書、権力の予期理 論(うかつにも買ってしまった〜)の2冊。サブカルチャーを読むのが楽しみに なってきた私でした。
とりあえず一読。うーん。対談というのは読みやすいというのか、読み づらいというのか。目は確かに先へ先へと進んでゆくのだが、全然頭に入らな いような感じ。あいかわらず宮台センセは同じことをくりかえししゃべり、よ くわからない。けど、何かわかったような満足な気になる。
藤井 良樹が左翼活動してたとか、リクルートにいたとか、NGOに行って たとかなんて知らなかった。また1つ彼をみなおす。「ブルセラ」が廃れた(一 般的になった?)今、なかなか名前を聴かないような気がするが、ルポライター としての彼の目は鋭いと思う。しゃべり方は生意気だけどそこに目をつぶって あげていいだけの内容を持っているような気がする。
中森 明夫?ズーっとこの人オタクだと思っていたのねん。初めて写真見 てなんじゃこりゃ、って感じ。(全然観点が違う(苦笑))文章は妙に文化人気取 りというか、存在の耐えられない軽さ、といった感じかな。あんまり好きじゃ ない。
なんか全然本の内容に関係ないこと書いてるような気がするけど、これ でいいの。こんな感じで色々なことをしゃべってるだけだから。エヴァンゲリ オンが何だってんだい。
著者が閉鎖病棟に半年入院した記録。この方はめずらしく躁で入院して いる。いや、めずらしいかどうかといえば、単に私が躁の人を見たことないか ら、というだけですが。まあ、精神病院に直接運ばれるような人は自殺未遂と ばかり思ってましたが、そうでもないみたいですね。ナタを持ってあばれてる 人をとりおさえられない駐在さんを横目に、その人の相手になる看護師、とい う話はなかなか面白くはありましたが。
印象としては、基本的にインターネットに散らばっている入院手記の類 とあまり変らない、という印象。どうして、かくしても人は同じ印象を受ける のか?半年の長きにわたっているので細かい日記の体をしていない。本人がど のくらいメモをつけていたかはちょっと疑わしい。でも、まあ、閉鎖病棟の感 じはよく出ていると思います。
「ここで一生を終えるのもわるくはない」だって?うーんちょっと考え てしまうなぁ。
前回作、『よのなか』に続く第2弾。今回の内容は、性転換を例にとって 性について考える、色々なケーススタディから子供が犯罪を侵した時はどうな るのか・どこまでが子供なのかということを考える、色々な犯罪を列挙してど のような罪に問われるか、人工受精なども視野に入れて結婚・離婚について考 える、そして、なぜ人を殺してはいけないのか考える、という5つのテーマに4 つのコラムをはさんだ構成。
第2章、子供がどれだけ罪に問われるか、という部分はけっこう難しいが、 少年法、児童福祉法での裁判などの流れがよくまとめられていて勉強になる。 「少年法をかえろー」などと単純に言っている人にこのことを理解しているの か聞きたき気分になる。
第5章、どうして人を殺してはいけないか、では、この話の引金になった NEWS23出たこの発言をした少年のような子供たちが現われている時点で現行の システムのひずみが現われていると解き、新たな教育システムの提案、そして その効用(「バカが伝染らないシステム」)を説明している。多少やさしくは書 かれてはいるが、手は抜いてないので、けっこう読むのはたいへんだ。
この本。前回作と併せて(あとがきにもある通り)入学・卒業祝や、子供 だけでなく成人式などのプレゼントにするに、もってこいな一冊(セットで二 冊)です。
欝かつ無気力であった私をゆり起こし、読書に向かわせたすばらしき一 冊。(また寝てしまうかもしれんが・・・)
本書はダ・ヴィンチに連載されていた「世紀末相談」をベースにいくつ かの原稿をまとめたもの。とりあえず一読してみたが、「世紀末相談」(一度 読んだことがある)以外の原稿はどれもムズカシー!もう一度読まないと全然 理解できないね。しかし、面白かったのは、いろいろなことについて自分の土 俵(児童買春・児童ポルノ禁止法案についての国会でのロビー活動の展開)で引 き合いを出し、その上で理論展開を進めてゆくこと。勘違いかもしれないが、 そうならば、この点がよっぽど一般に理解されていないのでくりかえし主張し ているとしていいのでは?
もう一つ面白かったのは、最終章「天皇ごっこ」の解説である。この文 章は比較的読みやすかったのだが、宮台氏の師匠小室直樹氏の「宮台君、理論 的に考えてみたまえ。日本で世直しを追求するなら、リベラリズムは不可能、 天皇主義以外ありえないのだよ」という言葉に悩まされ(?)、ある種絶望的と もいえる言葉を残して、「おつかれさまでしたゴールです」となるのはちょっ と驚きだ。宮台氏がリベラリストでなくなる、ということはちょっと考えにく いがどれだけ考えても困難があるということにすこし驚いたのであった。
気になった文章をひとつ。p293「戦争の善し悪しは、どんなイデオロギー に基づいて戦争したかと言うことを切り離して議論されるべきで、それが戦争 評価の国際常識です。良いイデオロギーによる良い戦争と、悪いイデオロギー による悪い戦争があるというのは、戦争の現実を知らぬ愚かな発想です。」
桜井亜美ってけっこう構成力というか、あるのかな。と思わせた一作。 なんとなく骨組みが小さくてちょっと窮屈な感じがするけど、いちおう崩れな いんじゃないかな、といった感じ。物語りでたびたび登場するゴルフ(車)と、 最後になって炎につつまれた舘から脱出できないところの同一性は、うーむ、 なるほど、と思った。
ハッカーのケンジの描写はちょっとチャチに感じてしまった。(そういう 見方が悪いクセ)。物語に出てくる少年少女たちはみな不自由さをもって生き ている。これに共感するのではなく、むしろ、こっちのほうがラクだ、と感じ る。今の私に比べるとまだ自由度が高いからだ。あと、マキガミ。これもなん だか宮台真司を髣髴とさせる。(マゾのようで)サドなところや、大学関係者で あること。気のせいかな。